メディカルアロマの導入事例｜医療・介護現場に活かすアロマテラピー

近年、日本の医療・介護現場ではアロマテラピーの導入が進んでいることをご存知でしょうか？
今回は医療・介護現場におけるアロマテラピーについてご紹介します。

医療・介護現場に広がるアロマテラピー

近年の日本では、代替・補完医療としてアロマテラピーを導入する医療・介護現場が増えています。

アロマテラピーは大きく2種類に分けられ、美容・リラクゼーションを目的とする「イギリス式のアロマテラピー」と、医療・治療を目的とする「フランス式のアロマテラピー」があります。

日本で最初に浸透したアロマテラピーはイギリス式であり、エステやスパなどで施術されることが主流でした。しかし、次第にフランス式アロマテラピーが日本でも認知されるようになり、最近では統合医療を重要視する医療従事者や介護従事者から注目されています。

尚、フランス式アロマテラピーは「メディカルアロマ」とも呼ばれており、発祥の地であるフランスやベルギーをはじめとした一部の国では医療行為として認められています。

メディカルアロマとは？

メディカルアロマとは、精油の芳香や薬効成分が心身に働きかけることを活用した自然療法です。

精油には薬理作用があることが科学的に証明されています。精油の香りを脳に伝えたり精油成分を肌から浸透させたりすることで、メンタル面の不調ケアや人間本来の自然治癒力の向上などが期待できます。

精油のはたらきは、西洋医学ではフォローしきれない未病や心身の苦痛などに有効であるとして緩和ケアや認知症予防、日々のケアなどに取り入れられはじめています。

このように、精油の薬理効果を統合医療やヘルスケアに役立てようとするアロマテラピーがメディカルアロマです。メディカルアロマの特徴や需要の高さについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

▶︎メディカルアロマとはなに？
▶︎就職や転職に有利？高まるメディカルアロマの需要を解説

医療現場におけるメディカルアロマの導入事例・役割

医療現場におけるメディカルアロマの導入事例を紹介します。

メディカルアロマは、医療現場において以下のような役割として導入されています。

未病ケア
緊張感の緩和
精神疾患へのアプローチ
終末期・緩和ケア

未病ケア

西洋医学では、全身のだるさや疲労感などを感じるが発病には至らない「未病」の患者に対し、治療や薬などを処方することができません。メディカルアロマは、精油のはたらきによって体内のバランスを整え自然治癒力を高めるため、未病の患者さんや心身の不調改善にも役立ちます。

また、投薬を避けたい患者さんや自然療法を望む患者さんにも有効であるため、内科や皮膚科などでメディカルアロマの導入が増えています。

緊張感の緩和

精油の香りは、脳に直接働きかけてホルモンバランスや自律神経に作用するため、患者さんの心身の緊張を和らげることが期待できます。

医療施設特有の緊張感や治療に対する不安感などを緩和させる目的でメディカルアロマを導入する病院や歯科医院が増えています。

精神疾患へのアプローチ

リラクゼーション効果の高いメディカルアロマは、メンタル面の影響が強い疾患や症状にも有効なためレディースクリニックや精神科、心療内科などでも導入されています。

また、メディカルアロマを用いて患者さんのストレス緩和やメンタル面の不調の改善を図り、治療効果を向上させる目的で導入するクリニックも増えています。

終末期・緩和ケア

患者さんのQOL（生活の質）改善や心身の痛みや苦痛を和らげるための手段として、終末期ケアや緩和ケアにメディカルアロマが導入されはじめています。

また、患者さんだけでなく、メディカルアロマはご家族の心身の疲労回復や介護意欲のアップなどにも役立っています。

介護現場におけるメディカルアロマの導入事例・役割

介護現場におけるメディカルアロマの導入事例を紹介します。

介護現場では介護施設や訪問介護などでメディカルアロマが導入されており、以下のような役割が期待されています。

不眠対策
認知症予防
運動機能改善
コミュニケーション不足解消

不眠対策

メディカルアロマには、心身の緊張をほぐして入眠に導くはたらきが期待できます。
高齢者の方は睡眠の質に関する悩みを抱えていることが多いため、メディカルアロマを用いて安眠を図るため導入されています。

認知症予防・改善

精油のなかには交感神経・副交感神経を刺激する香りがあり、自律神経を整えるはたらきが期待できます。

実際に、朝に交感神経を刺激する香り、夜に副交感神経を刺激する香りを用いることで、認知機能の改善が見られたという実験結果があります。

このように、認知症の予防・改善に有効であるとして、メディカルアロマを導入する介護施設が増えています。

運動機能改善

精油を用いてオイルトリートメントをおこなうことで、血流や老廃物の排出を促進したり関節可動域を拡大させたりすることが期待できます。それにより、身体の冷え・むくみの改善や筋肉疲労回復などにつながり、運動機能の改善も期待できます。

また、オイルトリートメントは免疫力アップも期待できるので健康維持にも役立ちます。

オイルトリートメントについて知りたい方は下記記事を参考にしてください。
▶︎オイルトリートメントで免疫力アップ？アロマの力で心身の疲労を回復

コミュニケーション不足解消

介護現場においてメディカルアロマは、ハンドマッサージをしたり精油を使った石けん作りをしたりなど、レクリエーションの一環として導入されることが多いです。そうすることで、高齢者の心身の不調を整えながら、不足しがちなコミュニケーションを満たすこともできます。

特にタッチケア（触れるケア）は深いリラクゼーション効果をもたらし、不安・ストレスの軽減や痛みの緩和なども期待できます。

まとめ

今回は、医療・介護現場におけるアロマテラピーの導入事例や役割について解説しました。
近年では代替・補完医療に注目が集まっていることもあり、統合医療を重要視する医療従事者・介護従事者を筆頭にメディカルアロマの導入が進んでいます。

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