アロマが認知症の症状緩和に役立つと聞いたことはありませんか?
今回は、認知症とアロマの関係性や、有用性が示された研究について、認知症の症状別に適したアロマなどを詳しく解説しています。
アロマを認知症の方に使用する時の注意点や、おすすめの資格にも触れました。
認知症とアロマについて、医療現場に役立つメディカルアロマを学びたい方は、ぜひ一読ください。
認知症と香りの関係
アロマテラピーが症状改善に役立つとされた認知症のひとつに、アルツハイマー病があります。
アルツハイマー病は、見当識や新しい記憶に関与する脳の内嗅皮質や海馬で、神経原線維変化が生じ、神経細胞が破壊されることで物忘れ症状がみられる病気です。
この時、最初に影響を受けるのが嗅神経のため、アルツハイマー病は物忘れ症状が出る前に、においが分からなくなるといわれています。
しかし海馬と嗅神経は、生涯にわたって新しい神経細胞を作り、再生し続けるという特徴も。
とくに嗅神経はにおいの刺激を与えると再生力がアップしやすいため、海馬やその周辺の神経細胞にも影響を与えると考えられているのです。
したがって、アロマテラピーによるにおい刺激は脳の活性につながり、見当識障害の改善にも結びついていると考えられています。
参考:アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性(Dementia Japan 19:77-85,2005)
認知症に対するアロマテラピーの有用性を示した研究
では、どのような研究で認知症に対するアロマテラピーの有用性が示されたのかご紹介していきましょう。
研究方法は、軽度から高度のアルツハイマー病患者77人に対し、ディフューザーによるアロマ散布を朝と夜の定時で2回実施。
その後、TDAS(タッチパネル式認知機能検査)の手指名称記憶テストで効果測定をするという実験が行われました。
実験は、何もしない期間(コントロール期間)と、アロマテラピー実施期間、そして再び何もしない期間(ウォッシュアウト期間)をそれぞれ28日間ずつ設けて構成されました。
結果は、何もしていない期間(コントロール期間)と比べ、アロマテラピー実施後は手指名称記憶テストの点数に有意な改善が見られたそうです。
さらに、アロマテラピーの効果の持続と消失を証明するために設けられた、ウォッシュアウト期間中も緩やかに有意な改善が見られ、効果が持続しやすいという結果も得られました。
参考:(公社) 日本アロマ環境協会 | アロマを楽しむ | アロマの研究・調査 | アロマサイエンス研究所 | 認知症に対するアロマテラピーの有用性
認知症のこんなお困りごとにアロマを
ここからは、認知症によくある症状であるイライラや、気分の落ち込み、不眠に役立つアロマをご紹介します。
イライラ
認知症症状のイライラやソワソワは、生活リズムの乱れを整えるアロマテラピーを行うことで、改善が期待できます。
朝は覚醒の刺激を与えるレモンやローズマリーカンファーを、夜はリラックスできるスイートオレンジやラベンダーを使用するとよいでしょう。
覚醒と睡眠のリズムを整えることで感情が安定し、イライラやソワソワの解消につながります。
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気分の落ち込み
ゆううつな気持ちには気分が明るくなる、リフレッシュに役立つオイルの使用がおすすめ。
気分の落ち込みを改善させるはたらきがある代表的なオイルは、ベルガモットやオレンジなどの柑橘系アロマです。
森林浴をしているかのような感覚になれるヒノキも、精神面のリフレッシュを手助けしてくれるので試してみてください。
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不眠
不眠症状が強い場合は、副交感神経を刺激するアロマを活用しましょう。
入眠を助けるアロマではラベンダーを、深いリラックスが期待したい時はスイートオレンジなどが適しているので、参考にしてください。
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認知症の方がアロマを楽しむ方法
実際に認知症の方がアロマを楽しむには、どのような方法があるのでしょうか。
アロマトリートメント
アロマをブレンドしたオイルで行うフットマッサージやハンドマッサージなどをアロマトリートメントと呼びます。
認知症症状だけでなく、むくみやしびれ、痛み、冷えの改善に役立つことが特徴です。
介護する側、される側ともに香りを楽しみつつ触れ合うことができるので、お互いにリラックスするはたらきも期待できます。
アロマディフューザー
アロマを利用する手段として最も一般的なのが、アロマディフューザーを使用する方法です。
使い方は機械に水をセットしたのちにアロマオイルを数滴垂らし、スイッチを押すだけ。
アロマの香りを含んだミストが部屋の空気中を漂うことで、香りを楽しむことができます。
タイマー設定が可能なタイプや、デザイン性の高いもの、数千円で購入できる安価なものもあるので、使用シーンに合ったものを購入するとよいでしょう。
クラフト講座
アロマを使ったクラフト講座も、認知症の方がアロマに親しむ方法としておすすめです。
石鹸やバスソルト作りなど、香りを楽しみながら、手先を動かす運動療法としての役割も果たすため、一石二鳥といえるでしょう。
認知症の方にアロマを使う時の注意点
最後に認知症の方にアロマを使う時の注意点を解説します。
芳香成分100%の精油を使う
アロマを選ぶ時は、芳香成分が100%ピュアなアロマオイルを選びましょう。
合成香料で作られたアロマオイルも多く販売されていますが、アロマ本来のはたらきを得ることができません。
認知症症状の緩和を目指すなら、購入するアロマオイルの成分に注意して購入してください。
認知症の方の手の届かないところに保管する
アロマの保管は、認知症の方の手が届かない場所にすることが鉄則です。
誤って飲んでしまったり、皮膚につけたり、目の中に入ったりなどのトラブルが起きないようにしましょう。
火気厳禁なので、火の気がない場所に保管することも大切です。
医師とよく相談する
人によってはアロマに過敏に反応してしまうことがあります。
健康状態によっては不調をきたすこともあるので、持病がある方、服薬治療をしている方へは医師へ相談してから実施するようにしましょう。
アロマは認知症患者様や介護者の手助けに
アロマは認知症の方だけでなく、介護をする方の手助けにもなる優秀なツールです。
アロマスクール「パルファム」では、医療の現場に役立つメディカルアロマの資格取得が目指せます。
とくにNARD(ナード・アロマテラピー協会)の資格はメディカルアロマとしての信頼度が高いです。
パルファムではわからないところも徹底的に質問できる少人数制を行っているので、安心して資格取得を目指せます。
ご興味のある方は、パルファムのアロマスクールへのお問い合わせをお待ちしています。
https://aroma-therapy.co.jp/medical_aroma/school_choice.html
無料アロマ体験
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