蚊や虫が増える夏には、虫よけ対策をする方も多いと思いますが、アロマで虫よけができることをご存知ですか?
天然由来のアロマオイルには、市販の虫よけアイテムのように薬剤が含まれていないため、お肌にやさしい虫よけが期待できます。
今回は、アロマを利用した「天然の虫よけ対策」について紹介しています。
なぜアロマオイル(精油)が虫よけになるの?
アロマオイルには、「精油」と呼ばれる天然100%のオイルがあります。精油とは植物から抽出された液体のことです。
植物は、身動きがとれず天敵から逃げられないため、虫に食べられないよう虫の嫌いな香りを放ちます。
精油のなかには、このような「忌避(きひ)作用」が成分に含まれているものがあり、それを利用することで虫よけに役立てることができるのです。
アロマオイル(精油)で虫よけをするメリット・デメリット
虫よけに効果的とされる市販の商品と比べ、アロマオイルにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット
アロマオイルで虫よけする主なメリットは以下の3つです。
- 天然成分100%でできている
- アロマのやさしい香りを楽しめる
- アロマの香りが心身にもはたらきかけてくれる
市販の虫除けスプレーなどには複数の化学物質が含まれており、なかでも「ディート」という成分は、厚生労働省から「小児(12歳以下)への使用の制限」や「濃度の明記」が義務付けられています。
参考:「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」/厚生労働省
それに比べ、アロマオイル(精油)は天然成分100%でできており、虫よけをしながらアロマのやさしい香りを楽しむことができます。
また、使用する精油の香りによっては、虫よけ以外にもリラックスやリフレッシュなど心身にはたらきかけてくれる作用も期待できます。
デメリット
アロマオイルで虫よけする主なデメリットは以下の3つです。
- 殺虫効果は期待できない
- こまめにスプレーする必要がある
- 使用期限が短い
アロマには、忌避作用は期待できますが、殺虫効果は期待できません。忌避作用は、ディートに比べて持続しないため、香りが薄れたらこまめにスプレーする必要があります。
また、保存料を使用しておらず使用期限も短いので、長期保存には向きません。
忌避作用のあるアロマオイル(精油)
精油に使われる植物によって、精油のもつはたらきは異なります。
今回は、忌避作用が期待できる以下の香りについて紹介します。
- レモングラス、シトロネラ
- ホーリーバジル
- ユーカリ
レモングラス、シトロネラ
「レモングラス精油」と「シトロネラ精油」の忌避作用は、(公社) 日本アロマ環境協会 AEAJによる実験で確認されています。以下は実験の内容と結果の概要です。
それぞれの精油を濃度1%、10%、20%になるよう無水エタノールで希釈し、30〜70代の男性3名の前腕に塗布した結果、5分後の蚊の忌避率は以下のようになりました。
※忌避率=(精油塗布時の吸血率/無水エタノールのみの吸血率)×100
濃度1% | 10% | 20% | |
---|---|---|---|
レモングラス | 忌避率40% | 100% | 100% |
シトロネラ | 忌避率0% | 100% | 100% |
参考:「アロマの蚊に対する忌避作用」/PR TIMES
レモングラスとシトロネラは、蚊の他にもゴキブリやダニ避けに役立つと言われています。
ホーリーバジル
ホーリーバジル精油の忌避作用についても、海外の論文で実験結果とともに報告されていると、AEAJが紹介しています。以下は、AEAJが紹介している実験の概要です。
アルコール、ディート(濃度20%)、ホーリーバジル精油(濃度20%)をそれぞれ綿に浸し、蚊を離したゲージ内に設置した結果、ホーリーバジル精油とディートは6時間以上蚊を寄せ付けませんでした。
参考:「蚊に対する精油の忌避作用」」/(公社) 日本アロマ環境協会
ホーリーバジルは、バジルのなかでも香り高い種類で、甘みのあるスパイシーな香りが楽しめます。
ユーカリ
公益社団法人 福岡県薬剤師会は、ユーカリ精油が「昆虫忌避用のクリーム・液」や「防虫剤用の香料」などに用いられていることを紹介しています。
ユーカリ油はユーカリノキまたはその近縁植物の葉を水蒸気蒸留して得た精油で、主成分として1,8-シネオール(別名 ユーカリプトール)を70%以上含有する。1,8-シネオールは、消炎、殺菌、消毒、防腐、駆虫および殺虫効果を有する。
(一部割愛)
医薬品以外の用途として、アロマテラピーのほか、昆虫忌避用のクリーム・液、防虫剤用の香料、石鹸、クリーム、歯磨き等に用いられている。
引用:「 ユーカリ油(Eucalyptus Oil)に蚊の忌避効果はあるか?(薬局)」/公益社団法人 福岡県薬剤師会
上記で紹介している「1,8-シネオール」は清涼感のある香り成分で、リフレッシュしたいときや集中力を高めたいときの使用にもおすすめです。
アロマオイル(精油)で作る「天然の虫よけスプレー」
忌避作用のあるアロマオイルを使用したアロマスプレーは、まさに無添加で作られた「天然の虫よけスプレー」です。
アロマスプレーは自分で簡単に作ることができ、スプレータイプの容器に「アロマオイル(精油)・無水エタノール(アルコール)・水」を適量加えて混ぜ合わせて完成です。
それぞれの分量や手順は、以下の記事にて詳細にまとめています。
アロマスプレーの楽しみ方や活用方法なども記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事▼
アロマスプレーの作り方・使い方は?おすすめのブレンドレシピも紹介
アロマスプレーで虫よけ対策する時の注意点
アロマスプレーを虫よけ対策として使用する際は、以下の注意点に気をつけましょう。
光毒性作用のある成分を使用しない
アロマで虫よけスプレーを作る際は、光毒性(ひかりどくせい)作用のある成分を使用しないようにしましょう。
光毒性作用とは、紫外線に反応して、シミや炎症といった肌トラブルを引き起こしてしまうことです。
多くの柑橘類精油に含まれている「ベルガプテン」は、光毒性作用があると言われています。なかでも「ベルガモット精油、グレープフルーツ精油」は、ベルガプテンの数値が高いため、皮膚に塗布して外出することは控えましょう。
参考:「柑橘精油に含まれるベルガプテン量の比較」/(公社) 日本アロマ環境協会
なお、今回紹介したレモングラス、シトロネラ、ホーリーバジル、ユーカリには、ベルガプテンは含まれていないためご安心ください。
日焼け止めのあとに使用する
国立感染症研究所のHPの「ウエストナイル熱・脳炎Q&A」によると、忌避剤と日焼け止めを併用する場合は、日焼け止めを塗布したあとに忌避剤を使用することが一般的であるとされています。
そのため、日焼け止めを肌に塗布した後、アロマスプレーを肌に吹きかけるようにしましょう。
小さなお子様・ペットへの使用に注意する
小さなお子様やペットなどの小動物は、刺激に敏感なため、アロマスプレーを使用するときは注意が必要です。
例えば、上記で紹介した国立感染症研究所のHPの「ウエストナイル熱・脳炎Q&A」に記載されているように、海外には3歳以下のユーカリ油(精油)の使用を控えるよう発表している地域もあります。
「0歳児の使用可能」と記載されている商品であれば問題ありませんが、ご自身でアロマスプレーを作る際は、使用する精油の種類や濃度にご注意ください。
以下の記事では、ペットと一緒に安全にアロマを楽しむための方法を紹介しています。
ご家庭にペットがいる方はぜひ参考にしてください。
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ペットと一緒にアロマは使える?安全に使用するために
保管方法・使用期限に注意する
前述しているように、完全無添加のアロマスプレーには、防腐剤や保存料が使われていないため、保管方法や使用期限に注意が必要です。
できるだけ火気を避けて冷暗所で保存し、使用期限とされている2週間を目安に使い切りましょう。
まとめ
今回は、アロマオイルを使用した天然の虫よけ対策について紹介しました。
市販の虫よけスプレーの成分や独特な香りが気になる方は、今回紹介した精油やアロマスプレーを活用して、アロマのやさしい香りを楽しみながら虫よけを試してみてください。
パルファムでは、ご家庭や日常生活に活用できるアロマテラピーが学べます。
アロマは、虫よけ以外にもハウスキーピングや美容など、さまざまな角度からくらしに役立てることができます。
通学だけでなくオンライン受講も可能なので、アロマテラピーに興味のある方は、以下のホームページからお気軽にご連絡ください。
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