ハーブと呼ばれる芳香性植物から精油を抽出するには、いくつかの方法があります。ここでは、簡単にできる抽出方法から、本格的な抽出方法まで幅広くご紹介。
アロマオイルを作ってみたい方はぜひ参考にしてください。
精油(エッセンシャルオイル)4つの抽出方法
精油の抽出方法は数種類あります。ここでは代表的な5つの方法をピックアップしました。
芳香性植物によって抽出方法を変えたり、作りやすい方法を採用したりして楽しんでくださいね。
①水蒸気蒸留法
水蒸気蒸留法は自宅でも簡単に精油を取り出すのに適している抽出方法です。蒸留器の値段は高いものもありますが、1万円以内で購入できるものもあり、比較的リーズナブルな価格で精油を作れます。
作り方は葉や草、木などの原料を蒸留器に入れ、下から水蒸気を通し、芳香成分が含まれた水蒸気を冷却管で冷やすことで水と分離し、精油ができるという仕組みです。
このときに含まれた水には芳香性分が溶け込んでいるので、ほのかな香りがするのですが、この水は「フローラルウォーター」と呼ばれており、ルームフレグランスとしても利用できます。
ただし、水蒸気蒸留法はハーブを熱や水に晒すため、香りが損なわれてしまう可能性も。水蒸気蒸留法に適さない植物もあるので気をつけましょう。
水蒸気蒸留法に向いていない芳香性植物は以下の通りです。
水蒸気蒸留法に向いていない芳香性植物 |
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レモン・ベルガモット・グレープフルーツなどの柑橘系 |
②圧搾法
オレンジやレモン、グレープフルーツなど、果実の皮から精油を抽出する方法です。
昔は手で皮を剥いて絞っていたようですが、今はローラー機で圧縮し、遠心法で水分を分離させて精油を作っています。熱を加えない方法ということで、「低温圧縮」や「コールドプレス」とも呼ばれています。
圧搾法は自然のままの香りを楽しみたい方におすすめです。ただし、絞りカスや不純物が混入することもあり、化学変化で劣化しやすくなるのがデメリットといえます。
③油脂吸着法
油脂吸着法は常温で芳香成分を吸着させる「アンフルラージュ法」と、60〜70度に加熱した油脂を使用する「マセレーション法」の2種類あります。ここではそれぞれの特徴を説明します。
アンフルラージュ法
アンフルラージュ法は、エジプトの時代から存在していると言われる伝統的な抽出法の一つです。花からエッセンシャルオイルを抽出する際に、シャーシと呼ばれる硝子盤の上に原料植物を置き、常温の油脂の上に花を並べます。
これによって油脂は花から精油を吸収。これを油脂が精油で浸されるまで繰り返し行います。この得られた化学物質(ポマード)をアルコールに溶かし、液体を加熱してアルコールを蒸発させることで、水溶性の精油だけが抽出できるのです。
マセレーション法
アンフルラージュ法と似ており、マセレーション法のほうが比較的自宅でも簡単に作れるのが特徴です。
花や葉の細胞や精油腺を潰してから、60℃〜70℃の高温に熱した植物油やラードに入れる方法です。植物油は精油を吸収するため、花や葉の繊維などは取り除かれます。
精油が濃縮されるまで植物油やラードを再び熱して繰り返します。
④溶媒抽出
有機溶剤を用いて、芳香成分を溶かし精油を取り出す方法です。原料植物を揮発性化学溶剤に漬けて芳香成分を溶かした後に、原料植物と溶剤を取り除きます。
そうすることで固形(コンクリート)だけが残るため、それをアルコールで溶かして芳香性分のみを取り出すのです。
溶剤抽出法で花やハーブで抽出した精油を「アブソリュート」、樹脂やその他の原料植物から抽出されたものを「レジノイド」と呼びます。
ジャスミンやローズ、チュベローズなどの繊細な香りを抽出する際に用いられることが多いです。
新しい二酸化炭素抽出法とは?
精油抽出方法の歴史の中でも比較的新しいのが「二酸化炭素抽出法」で、「超臨界流体抽出法」とも呼ばれています。
二酸化炭素抽出法とは、二酸化炭素に加温・加圧をかけ、気体と液体の中間と言われる「超臨界状態」にする方法です。
超臨界状態の二酸化炭素は精油成分を吸着させた後、さらに圧力を緩めて二酸化炭素を気化することで、上質な精油分が残ります。
水蒸気蒸留による抽出方法だと分子が大きすぎて取り出せない成分でも、この方法を用いれば取り出せます。さらに熱に弱い芳香分子も抽出可能で、上質な精油が得られるのです。
揮発性有機溶剤を用いた抽出法と比較すると二酸化炭素抽出法のほうが安全性は高いのですが、装置が高価でコストがかかるためそれほど普及しませんでした。
精油の使い方
購入した精油や自分で作った精油を有効的に利用しましょう。
精油を希釈してルームフレグランスとして使ったり、アロママッサージを行ったりと香りを楽しめます。
また、精油をハンカチなどに数滴垂らしてカバンの中やポケットに入れて持ち歩くと、常に良い香りが楽しめますよ。
その他にも以下のような楽しみ方ができます。
精油の使い方 |
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精油の原液は種類によって肌に触れると肌トラブルの原因になるので、十分な注意を払いましょう。
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精油を抽出して香りを楽しもう
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