ムスクとは?香りの特徴やホワイトムスクとの違い、与える印象などを解説

ムスクとは、多くのフレグランスや日用品に使われている、人気の高い香料です。

ムスクはなぜこんなにも、人を魅了するのでしょうか。

ムスクとはどのような特徴がある香料なのか、その魅力を詳しく紹介します。

また、ムスクと似た名前の香りとして、ホワイトムスクがあります。

ムスクとホワイトムスクは、まったく異なる原料の香料です。

ムスクとホワイトムスクの違いについても解説します。

ムスクとは?

ムスクとは、オスのジャコウジカから採れる天然の動物性香料のことを指します。

オスのジャコウジカには香嚢(こうのう)と呼ばれる器官があり、そこから出される分泌物が、ムスクの原料です。

分泌物自体はアンモニア臭や獣臭が強く良い香りとはいえませんが、乾燥させることで甘い香りへと変化し、香料として使われます。

しかしムスクが目的で乱獲されたことから、1979年以降、ワシントン条約でジャコウジカの捕獲は禁止されています。

そのため、現在は天然のムスクが流通することはほとんどありません

ムスクの香りの特徴

ムスクの香りは、「アニマルノート(アニマリック)」や「ムスキーノート」と表現される香調です。

アニマルノートは、動物的な香りのことをいいます。

ムスキーノートとはムスクの香りのことを指しており、石鹸のようなソフトな清潔感や、温かみのある印象が特徴です。

ムスクの原液は強烈な香りですが、少量を使用することで、パウダリーな甘い香りになります。

どんな香りとも相性が良いとされますが、特にフローラルノートやオリエンタルノート、シトラスノートとの組み合わせがおすすめです。

ムスクとホワイトムスクの違い

ムスクと似た名前の香料として、ホワイトムスクがあります。

ホワイトムスクとは、正式な成分名ではなく、人工的に作られた合成ムスクの総称です。

天然ムスクが入手困難なことから、現在流通しているムスクは、ほとんどがホワイトムスクといえます。

ムスクとホワイトムスクの違いについて紹介します。

香り

香り

ホワイトムスクは、天然ムスクの成分を研究して、人工的に作りだした香料です。

そのためムスクとホワイトムスクの香りは比較的似ており、パウダリーで石鹸のような甘い香りをしています。

しかし天然ムスクにはフェロモン様の作用があるといわれており、独特の艶っぽい香調や、官能的な印象が特徴です。

ホワイトムスクは天然のムスクよりふんわりとしており、お風呂上がりやベビーパウダーを思わせる香りがあります。

肌になじむと、ホワイトムスクも艶っぽい香調へと変化します。

原料

ムスクとホワイトムスクは、原料がまったく異なります

ムスクの原料は、ジャコウジカの香嚢から採れる分泌物です。

一方でホワイトムスクは、ムスクの芳香成分である「ムスコン」の構造を研究し、人工的に作られた合成香料などを使用しています。

歴史

天然のムスクは麝香(じゃこう)とも呼ばれ、中国やインドでは、古くからアーユルヴェーダや漢方薬に活用されてきました。

イスラムでも媚薬として使われたとされており、人類の歴史上にたびたび登場する香料です。

ムスクの魅惑的な香りは、古代の人々も魅了したと考えられています。

一方でホワイトムスクは、19世紀末から開発された合成香料であるため、そのような歴史はありません。

ムスクの香りが与える印象

ムスクの甘い香りは、深みや温かみ、奥行きがあります

大人っぽく、ゴージャスで官能的な印象を感じる人も多いでしょう。

また、ムスクは他の香りを引き立たせる働きがあるため、配合方法や比率によっても香りの印象が異なります。

例えば、ホワイトムスクは清潔感のある石鹸のような香りですが、マンダリンムスクは柑橘系の爽やかな香りが特徴です。

組み合わせによって、様々な魅力を表現できるといえるでしょう。

ムスクの香りはなぜ人気?

ムスクの香りはなぜ人気?

ムスクは、数多くのフレグランスや日用品に用いられる、人気の高い香料です。

その理由のひとつは、異性を惹きつける魅力的な香りにあるといえます。

古くから媚薬としても使われてきたムスクは、フェロモンのような働きがあり、興奮や催淫を促すと考えられていました。

合成香料であるホワイトムスクも、分子構造上は天然のムスクにほぼ近いレベルになっており、異性を惹きつける魅力があるといわれています。

また、香料として人気が高い理由としては、他の香りを引き立たせ、持続性を高める働きにもあるでしょう。

香りに奥行きや広がりを出し、残り香を作るため、ベースノート(ラストノート)として重用されています。

ムスクの香りがおすすめのシーン

ムスクの香りは、深く重厚感のある甘めな香りです。

そのため香水で香りを楽しむ場合は、高温多湿な春夏より寒さを感じる秋冬の方が、ムスクの魅力が活かされます

春夏に使用する場合は、普段より量を少なめにして、手首といった汗で蒸れにくい場所につけるのがおすすめです。

秋冬なら、膝裏や上着などにも香水をつけたり、しっかりと重厚感のある香りを選んだりしてみてください。

また、ルームフレグランスとしてムスクの香りを楽しむこともおすすめです。

深く温かみのあるムスクの香りが部屋中に広がり、心身を癒やしてくれるでしょう

ルームフレグランスにはキャンドルやルームスプレーなどがありますが、香りの濃さを調整できるアロマディフューザーなら、香りが強くなりすぎません。

まとめ:ムスクの香りで魅力UP

ムスクとは、本来はジャコウジカから採れる動物性香料のこと。

甘く温かみのある香りを持ち、人を引き付ける魅力があります。

現在は天然のムスクに出会える機会はほとんどありませんが、合成ムスクであるホワイトムスクも、同じような魅力があるといえるでしょう。

他の香料とも相性が良いムスクは、ブレンドを楽しむのにもおすすめです。

ムスクだけでなく、香りには心と身体のバランスを整えるのに役立つ、奥深い魅力があります。

パルファムでは、ムスクのような香りを使って行う、アロマテラピーを学ぶことができます。

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この記事の監修者

  • 松江Tomoko 朋子Matsue

  • アロマスクール PERFUME 代表

    【保有資格】
    NARD認定アロマトレーナー / JAA認定アロマインストラクター / AEAJ公益社団法人日本アロマ環境協会歩人正会員 / NHAホリスティックハーブインストラクター / NHAハーバルフードオーガナイザー

    【書籍】
    「アロマテラピー丸わかり便利帖」メイツ出版 監修

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  • 松江Tomoko 朋子Matsue

  • アロマスクール
    PERFUME 代表

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    NARD認定アロマトレーナー / JAA認定アロマインストラクター / AEAJ公益社団法人日本アロマ環境協会歩人正会員 / NHAホリスティックハーブインストラクター / NHAハーバルフードオーガナイザー

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