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ウィンターグリーン精油とアスピリンって似てる?!

ウィンターグリーン精油とアスピリンって似てる?!

メディカルアロマの学びにおいてウィンターグリーン(学名:Gaultheria procumbens)は中核となる精油です。

この精油の用途は伝統医療において消炎、鎮痛、解熱に使用されてきた歴史があります。

効果に優れているため、禁忌事項として

喘息などのアスピリンアレルギーの人は使用しないこと
注意事項として敏感肌の人は20%以下に希釈して使用すること

などが厳しく記されているほどです。

伝統医療において、大切に使われてきたウィンターグリーン精油にはどんな謎が隠されているでしょうか。

ウィンターグリーンの謎を解き明かしていく前に、人間と植物の共通点の1つをご紹介します。

私たち、人間は生活上のプレッシャーを感じたとき、4種類のストレスを感じています。

その刺激の種類から分類すると下記4つとなります。
・生物的ストレス(炎症・感染など)
・物理的ストレス(寒冷・騒音・放射線など)
・化学的ストレス(酸素・薬物など)
・心理的ストレス(怒り・不安など)

これらのストレスはすべて私たちの命を守るためのメカニズムといえます。

一方、 植物は、下記3つのストレスを受けています。

・生物的ストレス(病原体からの攻撃など)
・物理的ストレス(乾燥・低温・塩害などの環境変動)
・化学的ストレス(酸素・二酸化炭素などの環境変動)

植物はこれらのストレスに対応するために体内でホルモンをつくり、体全体にホルモンの情報を行き渡らせ、さまざまなストレスに対する対策をたてて命を守っています。

植物が作るホルモンの例を挙げれば
・サリチル酸:植物が病原菌の感染を起こしたときに作られるホルモン
・アブシジン酸:環境が大きく変動したことを感知したときに作られるホルモン
・ジャスモン酸:虫などの食害にさらされたときに作られるホルモン
などがあります。

化学的性質に注目すると、
サリチル酸はフェノール性ヒドロキシ基とカルボキシ基の両官能基を有した特別な分子といえます。

サリチル酸が人間の体内に入ればフェノール性ヒドロキシ基の抗菌作用、カルボキシ基の解熱鎮痛などの抗炎症作用を発揮します。

しかし、サリチル酸には強い副作用があるため、1897年ドイツの化学者F .ホフマンによりに副作用の少ないアセチルサリチル酸が合成されました。この解熱鎮痛剤が世界で初めて人工的に合成された薬であるアスピリンです。

このように植物が作り出すサリチル酸には優れた薬理効果があることがわかります。

ウィンターグリーンは植物体内でサリチル酸の一部を化学変化させたサリチル酸メチルを多量に作り出しています。

化学的には
サリチル酸メチルはフェノール性ヒドロキシ基とエステル結合の両官能基を有している特別な分子です。

サリチル酸メチルが人間の体内に入ればフェノール性ヒドロキシ基の抗菌作用、エステル結合の鎮痛作用が発揮されます。

さらにサリチル酸メチルは体内で分解され、サリチル酸に化学変化することで、解熱作用を示すことも明らかにされています。

サリチル酸メチルはサロンパスやサロメチールという医薬品でも知られているとおり、炎症を鎮め、痛みを軽減させる効果があります。

また、サリチル酸メチルは揮発性が高いため、植物から植物へと空気を介して伝達され、他の植物の抵抗性を誘導するというアレロパシー効果も報告されています。つまり、サリチル酸メチルは人間だけではなく、他の植物の命さえも守っていることになります。

ウィンターグリーンはこれまで人間と植物の命を守るという大きな使命を担ってきました。

サリチル酸メチルの本体ともいえるサリチル酸はバラ科のセイヨウナツユキソウ(学名:Spiraea ulmaria) にも含まれています。

サリチル酸はこの植物の学名「スピラエ」にちなんで、「スピール酸」とも呼ばれ、1897年のアスピリンの名称の誕生に貢献した植物といわれています。

それだけでなく、アスピリンの鎮痛メカニズムに関する研究は1982年のノーベル生理学・医学賞にも輝いています。まさにウィンターグリーンの謎の解明は人類にとって必然だったといえるでしょう。