日本ではまだまだ、メディカルアロマが家庭にまで普及しているとはいえませんが、海外では人々の暮らしに浸透している身近な存在です。例えば北米に行くと、アロマショップに行かなくてもユーカリの精油がごく普通の薬局で手に入ります。しかも、日本のように5mlなどの小瓶ではなく、100mlほどの大ボトルが消毒薬などと並んで陳列されています。各家庭では、ホームケア用にユーカリ精油やティートゥリー精油が常備され、消毒や殺菌に使われているのです。昔の日本の家庭でいえば、救急箱に「オロナイン」があったような、そんなイメージでしょうか。
もう一つ、海外での面白い話があります。フランス人と結婚した日本人女性が風邪をひいた息子を病院に連れて行こうとした時のこと。ご主人が「家で何もケアしていないのに、病院にいくの?」と怪訝そうな顔するので聞いてみると、ご主人の家庭ではおばあちゃんから教わったアロマのレシピがあり、「風邪の時にはこの精油」「すり傷にはこの精油」と子どもの頃からお母さんにケアしてもらっていたそうです。彼女は、恥ずかしくなってメディカルアロマを習い始めました。
ホームケアに大活躍するメディカルアロマ
家族で安全・安心にアロマを使ってもらうには
メディカルアロマは、家族の健康管理にとても役に立つ習い事です。咳や鼻水など風邪初期に有効なだけでなく、子どものあせもや湿疹、頭痛や腰痛、外出時の虫よけ、胃のむかつき、水虫、スキンケア、アンチエイジング…など、とても応用範囲が広いのです。それだけに、自己流ではなく、専門知識を勉強することをおすすめします。日本では、精油は海外のように医薬品ではなく、「雑貨」として流通しているため、品質の悪い精油も多くあります。安全なものを自分の目で見極め、自分でブレンドしたものを自己責任のもとに使用しなければなりません。家族により安全・安心に使用してもらうには、やはりメディカルアロマのスクールで正しい知識を得ることが必要です。
メディカルアロマのホームケアへの活用例
ここでメディカルアロマをホームケアとして取り入れている主婦の方の感想をご紹介しましょう。
メディカルアロマ体験談
息子は今、8歳ですが、幼稚園くらいまでは、秋冬になると体調を崩すことが多かったんです。今でこそ、ホームケアにメディカルアロマを取り入れていますが、昔は何かあったらすぐに、病院に行っていました。「とにかく早くお医者さんに診てもらって、お薬をもらってこなきゃ」みたいな感じでしたね。私にできることはまずは、それだと思い込んでいました。
でも、本当は子どもに対して、すぐに薬を使うのは抵抗がありました。私自身が薬の怖さを知っていたからです。子どもの頃からアトピー性皮膚炎に悩まされ、長年ステロイド剤を使っていたためその副作用も知っていました。
「息子にはできるだけ、ケミカルなものは使いたくない」。そう思っていろいろと調べているうちに、メディカルアロマにたどり着きました。
メディカルアロマの授業を受けて、とても驚いたのは
- 植物から取れる精油は、まるで薬のような化学成分をもっていること
- その化学成分の薬理効果をホームケアに生かせること
この2つです。特に驚いたのが、ティーツリーの殺菌力でした。オーストラリアの原住民たちに万能薬として利用されてきただけあって、抗ウィルス・抗菌作用がとても高い精油だとはいえ、インフルエンザの予防にまで効果があるとは思いませんでした。
それまでは、子どもにうがいや石鹸での手洗いをさせていましたが、風邪の時に部屋に拡散させたり、マウスウォッシュや抗菌スプレーにして使うと抜群の効果が感じられました。
それだけではなく、息子より私のアトピーの症状改善に大いに役立ちました。薬漬けだった私が、だんだんと薬を減らせるようになったんです。
しだいに、メディカルアロマが楽しくなってきて、家庭で取り入れられる時にはできるだけ試そうと奮闘する日々が始まりました。便秘ならお腹をオイルマッサージ、子どもがなかなか寝付かない時には、アロマオイルをリビングや寝室に焚くと落ち着いてきて、スーッと気持ちよく寝てくれます。夜中に子供の咳が止まらないときは、咳止め効果に有効な精油をブレンドしたアロマジェルを喉と胸に塗ってあげます。
メディカルアロマが楽しいのは、身体の不調への効果を狙って、自分で精油を選んで試せるところですね。その上、香りを楽しめて、子どもとのスキンシップも増えました。家庭の救急箱のように、医者にかかる前に自分でできる予防医療・代替医療として、メディカルアロマを習って本当によかったと思っています。
いかがでしたか?メディカルアロマは、学んだ分だけ身になる習い事です。東洋医学、西洋医学に加えて、サードメディシン「第3の医療」ともいわれるメディカルアロマをぜひ多くの方に活用していただきたいと思っています。