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- メディカルアロマと新型コロナウィルス感染症
昨年末より始まった新型コロナウイルス感染症は、今や世界各地に拡散しつつあります。患者は発熱、咳などの呼吸器症状を呈し、重症では肺炎に至り、死亡するケースもあります。当初は圧倒的に武漢を中心とした中国に集中して発生していましたが、それが武漢滞在者などの移動によって世界各地に飛び火したと報道され、中国以外にもかなりの拡大が予想される懸念を生じています。国内でも感染が確認されており、当初はその感染のうち多くを占めていたのが、クルーズ船ダイアモンド・プリンセスの乗客の方ということでした。今現在、感染拡大が見られ、
安倍首相は全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請しました。
すでにドラッグストアなどの店頭ではマスクが品切れの現象が起こっています。マスクで予防を考えるのは当然のことですが、感染症対策の基本として咳やくしゃみのある人には、他者への飛沫感染を防ぐためにマスクを装着する、いわゆる「咳エチケット」が求められています。また飛沫感染予防のために口と鼻を覆うマスクの装着もやむを得ない状況ですが、店頭でのマスクの品切れといった社会的な過剰反応は避けたいものです。
確かに「新型」のウィルスという言葉から受ける印象は不安を煽ってしまいがちですが、国内では毎年、インフルエンザが流行する時期におよそ1000万人が感染し、1万人が関連死亡するケースがあります。そのような毎年流行るインフルエンザの怖さに比べれば、新型コロナウイルス感染症を過剰に恐れる必要はなく、この異常事態の今こそ、メディカルアロマテラピーを通して、「予防する力」「回復する力」「排出する力」つまり「免疫力の維持、強化」を高めることが大いに期待されます。
私たちの身体のあらゆる場所に存在をし、機能している免疫系は文字の通り「疫を免れる」ためのシステムです。体内外の細菌やウィルスなどの非自己を取り除くために何重もの防御システムが機能しているから、私たちは健康を保っていられるのです。
私たちの身体を強力に外敵から守る免疫系ですが、過度のストレス、体力の消耗、睡眠不足などが続くと、免疫力は低下してしまいます。免疫機能の働きが弱まると感染症にかかりやすくなったり、重症化するなどリスクが高まります。免疫についての正しい知識を身につけて、重大な病気の予防を心がけるのはもちろん、その有力な対処法のひとつとして挙げられるのがアロマ(精油)を使用した感染症予防対策です。
植物成分である精油は免疫機能に有効な影響を及ぼすことが、化学的に証明されてきました。そして多くの精油に抗菌作用、抗ウィルス作用が認められています。その作用や効果的な使用方法を学んで健康維持に役立てたいものです。
植物は生育環境の変化である大気汚染で菌が増殖しても、鳥や昆虫による食害を受けても、人間や動物たちのように移動するわけにはいきません。植物自身が根を張ったその場所で生きていくしか道はありません。だからこそ、植物は自分で自分を守る能力が並外れて優れています。どんな苛酷な環境の中でも植物が生き抜いていけるのは、植物が生合成する植物化学成分にあります。その産物の1つがアロマ(=精油)です。精油には優れた抗菌作用、抗ウィルス作用があり、且つ揮発性であるため環境を浄化することができます。
17世紀のイギリスで、ペストが大流行しました。ペスト患者を出した家族は感染が収束するまで皆外出が禁止されました。そんな事態の中、植物の香り(=アロマ)を使った香水を作る工場で働く人々はペストにかかりづらかったと言われています。ドイツのカルペッパーは「香水(アロマの集合体)は確かに複合した薬物である。これは熱しないで、心に影響を及ぼし、あらゆる悪臭を取り除き、私たちを取り巻く空気中の感染源を除去する」と言っています。
このような視点でメディカルアロマをとらえると化学の勉強のようですが、実際に精油の正体については植物化学成分であり、主に炭素C、水素H、酸素Oの3つの元素が結合し、分子構造式上のわずかな並びの違いでいろいろな香り分子が作り出されます。
この精油成分や作用に焦点をあてたメディカルアロマテラピーを深く理解し、植物が自身の命を守るために生み出した力を使う術を身につけ、免疫力活性による自然治癒力を高めたいものです。
驚くほど精緻で、どんなコンピューターや機械でも真似が出来ないほど複雑完璧な私たちの身体には、体内の変化や外部の環境に対して、体内環境を一定の範囲で維持しようとするしくみがあり、それを恒常性の維持(ホメオスタシス)といいます。ホメオスタシスこそ、私たちの健康に不可欠な要素です。そのホメオスタシスに深くかかわっているのが、免疫系、自律神経系、内分泌系の働きです。これらが脳の視床下部―下垂体経路を通じて互いに連携しあい健康を保っています。
アロマの香りは、脳の大脳辺縁系(本能を司る部位)そして隣接している視床下部によい影響をおよぼし、視床下部―下垂体経路を通じて免疫系、自律神経系、内分泌系の働きを助けます。すなわち恒常性の維持とともに免疫力アップにも一役かいます。
予防医学が注目されている今だからこそ、メディカルアロマテラピーは自分や家族のためにできるホームケアとともに、今後ますます代替療法や統合医療、ヘルスケアにかかわる様々な分野で求められ、活用されていくでしょう。