鍼灸師として活躍されている方の中にメディカルアロマを学びたいという方が増えています。実際にお話しを伺うと、最近は女性の患者さんが多く、生理痛や不妊治療など、女性特有の悩みをもたれている方にこれまで以上のサービスをと考えた結果、メディカルアロマにたどり着いたとおっしゃいます。
パルファムの生徒さんにも医療関係の方は多く、看護師、薬剤師、鍼灸師など国家資格を持っている方もたくさんいます。医療の現場でメディカルアロマを活用しようとすると、病院なら経営者や部署の診療方針との兼ね合いがありますが、鍼灸師の場合は個人経営の方も多く、自分の技術にメディカルアロマをプラスするという方法が可能ですから、比較的導入しやすいといえます。
鍼灸サロンで導入され始めているメディカルアロマ
鍼灸とメディカルアロマはなぜ相性がいいの?
鍼灸師がメディカルアロマを身につけると、いままでできなかった分野のどんなことができるのでしょうか。
例えば、ある鍼灸院では「全身の鍼灸+背面部のアロマトリートメント」をセットにした60分コースが人気だそうです。
患者さんの多くは40代以降の女性。管理職の方も多く、家庭も忙しく、精神的な疲れと慢性的な体調不調を抱えている世代です。腰痛や肩こり、眼精疲労、生理不順、更年期障害など、持っている症状も一つではありません。
このコースでは、まず全身をみて、そのとき特に調子の悪いところに重点的に鍼をうち、アロママッサージでこりをほぐして全身の老廃物を流します。精油の香り成分が脳に作用し、深いリラックスに導くだけでなく、メディカルアロマの知識で症状にあわせた精油を選べば、効果的な体のメンテナンスができます。
心身ともにくたくたになって駆け込んできた女性も施術後は「生き返った」と満足されて帰られ、お客様の満足度も高いそうです。
このように、鍼灸にメディカルアロマのノウハウをプラスすると、従来の鍼灸院のような「治療のみ」の施術ではなく、アロママッサージなどもプラスした、心身のリラクセーションと精油の作用も提供できるサロンのようなサービスができるようになるのです。
メディカルアロマで鍼灸の美容効果もアップ
もちろんメディカルアロマは、お肌のアンチエイジングにも有効ですから、より美容に効果的な施術への応用も可能です。顔のむくみやくすみ、こりが気になる方には、「美容鍼コース」として、お体全体の血流をよくしたのちに、お顔と頭皮、首肩の周りに鍼+アロママッサージを行うといった施術法もあります。お客様からは、「二重あごが劇的に変わった!あごの骨が見えるようになりました」「肉で見えなかったエラが見えるようになって感動!」など、普通の美容サロン以上の効果にみなさん驚かれるそうです。
むくみや乾燥肌の改善も、鍼+アロママッサージを体とお顔の両方にすることで、相乗効果があります。
最近、女性誌などでは「漢方アロマテラピー」や「オリエンタルビューティ」といったキーワードが目につきます。メディカルアロマの導入を機に、リゾート地のプライベートサロンのような高級感漂うサロンに変身すれば、おしゃれ感度の高い女性たちの人気スポットになる可能性も期待できますね。
妊産婦向けの鍼灸治療でもメディカルアロマが威力を発揮
最近では、妊産婦向けの鍼灸治療+メディカルアロマを専門に行うクリニックも人気です。
妊娠中は大きく体が変化し、つわりや腰痛、むくみなどで苦しむ女性が多いものです。ところが病院で相談しても「妊娠したら普通に起こることですよ」といわれてしまい、これといった対処法もなく我慢している方も多いといいます。こういった妊産婦の体の不調に対しても、鍼灸+メディカルロマはとても有効です。
ある妊婦さんは妊娠中のつわりや胸のむかむかがあまりに辛く、会社を何日も休んでしまうほどでした。ところがアロママッサージと鍼灸を施術してもらうと、ずっと緊張状態だった体がゆるんだのか、そのまま施術台で熟睡し、すっかり体調がよくなり、次の日から出社できるようになりました。
また、妊娠中には腰痛に悩まされる方や、大きくなったお腹にひっぱられるように背中が痛くなってしまう人、常にだるさや倦怠感を抱える人もいます。こういった症状ともアロママッサージもとても相性がよく、1回の施術ですぐに効果があり楽になったとおっしゃる方も多いのです。
またみなさん口をそろえておっしゃるのが、マッサージをしながらお話しできることも、情報交換にもなり精神的な癒しにつながるということで、安心した気持ちで出産に臨めるだけでなく、出産後の心と体のメンテナンスにも、鍼灸アロママッサージのサロンを利用しているといいます。
お母さんの心の状態は赤ちゃんにダイレクトに影響してしまいます。だからこそ、症状の緩和だけでなく、気持ちのリフレッシュもできるメディカルアロマが妊産婦向けの鍼灸にも大いに力を発揮しているのです。