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福島先生≪化学専門講師/心理学専門講師≫

福島先生

星座:魚座
出身:東京都
趣味:茶華道・トライアスロン
好きな精油:サンダルウッド、ラベンダー・アングスティフォリア、ローズウッド

保有資格

  • 高校化学教諭
  • 公認心理師
  • NARD JAPAN認定アロマインストラクター
  • TAJ認定メディカルアロマ心理学主任講師

専門分野は化学と心理学です。

私は大学で有機化学を、大学院でカウンセリング心理学を研究してきました。

 

化学の視点から見ると、香りは決して「目に見えない不思議なもの」だけではありません。香りを生み出しているのは、化学式で表すことのできる一つひとつの分子です。わずか数種類の元素が組み合わさって多様な分子がつくられ、それぞれの構造や性質が香りの特徴に関わっています。私は、そこに化学の面白さと神秘を感じています。有機化学では、分子の構造を理解するために模型を作ることがあります。実際に分子模型を手に取って、その立体的な構造を眺めてみると、目には見えなかった香りの世界が少しずつ見えてきます。そんな体験から、アロマへの興味を深めていただけたらと思っています。

 

一方、心理学の視点から見ると、香りは私たちの感情や記憶、身体反応とも深く関わっています。嗅覚は情動や記憶と関係の深い脳領域と結びついており、香りに対する反応には、自律神経活動などの生理的変化も関わっています。同じ香りでも、そのときの気分や経験、記憶によって感じ方が変わることがあります。つまり、アロマには「分子」という化学の世界と、「こころ」という心理学の世界があります。私は、化学と心理学の両方の視点からアロマを捉えることで、香りの成分や性質だけでなく、香りを感じる人の心身の体験まで含めて学んでいただきたいと考えています。「百聞は一嗅に如かず」。ぜひ実際に香りを感じて、分子から生まれる香りが、ご自身のこころや身体にどのような変化をもたらすのかを体験してみてください。

「西洋医学と融合できるアロマ」について

アロマは、西洋医学と対立するものではなく、科学的な根拠を大切にしながら、通常の医療と補完的・協調的に活用されていく可能性があると考えています。西洋医学は、身体の構造や機能を客観的に捉え、病気の原因を明らかにし、診断や治療の方法を発展させてきました。身体を細かく分けて分析することで得られた知見は、現代医学の大きな基盤となっています。一方で、健康や病気を考えるとき、身体だけではなく、心理的・社会的な側面を含めて人を全体として捉えることも重要です。心身の状態は相互に関連しており、慢性疾患やストレスに関連する問題などでは、そのつながりに目を向けることが必要になります。ここに、アロマを含む補完的アプローチの可能性があるのではないでしょうか。

香りは、単なる化学物質として存在するだけではありません。香りを構成する分子の性質に加えて、嗅覚を通じた知覚、記憶や感情、心理的な体験など、さまざまな要素が関わっています。だからこそ私は、「西洋医学か、アロマか」という二者択一ではなく、「それぞれの強みを生かして、何ができるのか」と考えたいと思っています。診断や治療が必要な場面では、適切な医療につなげることが第一です。そのうえで、アロマを心身のリラクセーションやヘルスケアを支えるための補完的な方法として適切に位置づけ、必要に応じて医療専門職とも連携していく。それぞれの知見と役割を尊重し、科学的な根拠を一つひとつ積み重ねながら、心身をより全人的に捉えていく。「西洋医学か、アロマか」ではなく、「西洋医学とアロマだからこそできること」へ。それが、私が考える「西洋医学と融合できるアロマ」です。

「NARDアロマアドバイザー講座」授業の中で、専門的なパートはどこですか。

精油の化学です。香りは目には見えません。しかし、その正体をたどっていくと、そこには化学式で表される一つひとつの分子があります。精油はさまざまな揮発性有機化合物から構成されており、その分子構造や化学的性質を知ることで、香りの世界をより科学的に理解することができます。例えば、ラベンダー・アングスティフォリア精油には、リナロールなどの成分が含まれています。リナロールは植物に広く存在するモノテルペンの一種で、さまざまな生理活性について研究されていて、分子レベルで得られた基礎研究の知見(例えば抗不安作用等)がたくさんあります。こういった基礎研究の知見を、私たちが実際のアロマテラピーの中でどこまで生かせるかが、今後の課題です。

 

この課題解決のハードルを越えるためには、精油の化学は必須で、だからこそ精油の化学は面白いのです。一つの精油の中には、多様な分子が存在します。それぞれの分子の構造や性質を知ることで、目には見えない「香り」を、化学という姿・言葉で捉えることができます。「いい香り」で終わらせず、その香りを生み出している分子の姿を見つめる。分子の構造を知り、その性質を知り、そこから生まれる可能性を科学的に考える。それが、私が精油の化学をお伝えするうえで大切にしていることです。

「メディカルアロマ心理学講座」で最も大切にしていることは何ですか。

「いま、ここ」のニーズをキャッチすることです。授業では、設定されたテーマをお伝えするに留まらず、そのとき生徒さんが感じている疑問や困りごとを大切にしています。例えば、「いま、お困りのことは何ですか?」と問いかけ、お返事頂いた内容をもとに、どのようなアロマの活用法が考えられるのかを、その日の授業のテーマを絡めて一緒に探り、授業内容をより具体化していきます。

 

アロマには、香りを楽しむことから、心身のヘルスケアを目的とした活用まで、さまざまな可能性があります。そのため、まず一人ひとりのニーズを丁寧に捉え、その目的に応じて、精油は何が的確か、有効な用い方は何なのかを考えることが大切だと考えています。

 

「こんな心理状態のとき、アロマをどう活用できるのだろう?」という日常の小さな疑問を、学びの入り口にしたい。知識を学んで終わるのではなく、学んだことが「自分の生活の中でどう生かせるのか」「大切な人のためにどのように使うのか」という実感・体感につながること。それが、私がこの授業で最も大切にしていることです。一人ひとりの「いま、ここ」に耳を傾け、アロマ処方を学ぶ、そんな授業を目指しています。